第77回正倉院展を見学して

このたび、奈良国立博物館で開催された第77回正倉院展を見学いたしました。
千年以上の時を経ても輝きを失わない宝物の数々を前に、古代の職人たちの高い技術力と、美を追求する精神に深い感銘を受けました。

展示されていた螺鈿細工の箱や織物、金銀の装飾品は、どれも緻密で洗練された造りでした。また今回の目玉でもあります深い紺色がなんとも美しい「瑠璃杯(るりはい)」は異国情緒があふれ、当時のシルクロードを通じて終点地の日本に来たロマンを感じる展示品でした。時代を超えて受け継がれてきたその美しさは、素材と真剣に向き合い、丁寧な手仕事を重ねた結果であると感じました。そこには「良いものをつくり、長く残す」という普遍的な価値観が息づいています。

私たちマンションリニューアル業もまた、建物の命を延ばし、資産を維持し、次の世代へとつないでいく仕事です。日々の現場では、目に見えない部分の劣化が将来の安全性や耐久性を左右します。正倉院の宝物が千年以上の時を超えて今に残るように、私たちも誠実な施工を重ねることで、建物に新たな命を吹き込む責任があります。

今回の見学を通して、「守り伝えることの尊さ」と「ものづくりの原点」を改めて考えさせられました。
これからも社員一同、確かな技術と真心をもって、
お客様の大切な資産を未来へと受け継いでいける企業でありたいと思います。

ビケンテック株式会社　代表取締役　土谷健児　2025年11月